石破茂会長石破 茂 です。

沖縄県宜野湾市普天間第二小学校での米軍ヘリコプターからの部品落下事故は、一歩間違えば重大な犠牲が生じかねなかったもので、極めて深刻に受け止めなくてはなりません。今回は沖縄県警が異例の普天間基地への立ち入り調査を行うなど、それなりの対応がなされていますが、地位協定の見直しに正面から立ち向かう必要性があるものと考えています。  

日米安保条約とセットである地位協定の見直しの困難性は十分に承知しており、さればこそ日本政府としても可能な限りの運用の改善に極力努めてきてはいるのですが、日米安保体制の根幹を揺るがすような取り返しのつかない事態が生じてからでは遅いと思われます。

「対等な地位協定とは何か」について、政府内に居た時に何度か国会答弁でも言及したのですが、事柄の性質と防衛大臣という立場上(本件は外務省所管)婉曲に言わざるを得なかったため、議論を進展させられなかったことを残念に思っています。

今回の事故について、だからこそ辺野古への移設を急がねばならない、というのはその通りですが、報道を見る限りにおいて、沖縄と本土の温度差を強く感じます。これは沖縄に限ったことではなく、基地所在地域のみならず日本全体の問題なのであり、我々には世論喚起に更に努めていく責任があります。

今週はいくつかのBS番組で宮家邦彦氏、西岡力氏、武貞秀士氏らと久し振りに議論する機会があり、いくつもの有益な示唆を得ることが出来ました。勿論見解を全く一にするものではありませんが、「懲罰的抑止力」「拒否的抑止力」「拡大抑止」などという基本的な概念を共有していると、議論が噛みあってとても有意義です。

各地で講演をする際に、予めその地域に伝わる神話や民話も調べていくように心掛けているのですが、全国あちらこちらに本当に興味深い話があることに気付かされます。今週も必要があって「国母」と言われる木花咲耶姫(このはなさくやひめ)伝説について調べたのですが、これが実に深くて、悲しくて、美しい。その他最近では市川市の手児奈(てこな)伝説、郡山市の春姫伝説(筋立てがシェークスピアのロミオとジュリエットによく似ています)、佐久市の駒姫伝説などに魅かれました。古事記や日本書紀を改めてきちんと読み直してみるとさぞ楽しいのだろうと思うのですが、時間的に無理なのでしょう、残念。
 
歴史教科書から坂本龍馬や吉田松陰などの偉人を削除することの是非について議論があるようです。単なる暗記力だけを問う歴史教育は改めなくてはなりませんし、今回の「高大連携歴史教育研究会」(政府に設けられた公的なものではありません)の提案もその趣旨のようですが、歴史を学ぶことの意義や楽しさについて、さらに深い議論を期待しています。
 
週末は、16日土曜日に自民党宮城県第1区支部懇談会、地方政治学校「宮城未来塾」で憲法改正の実現について講演(午前11時20分・TKPガーデンシティ仙台)、鳥取市建築連合会懇談会(午後6時半・ホテルウェルネス因幡路)、どんどろけの会クリスマスパーティ(午後7時・ホテルニューオータニ鳥取)。

17日日曜日は鳥取県自治体代表者会議・地方分権推進連盟30年度予算に関する意見交換会(午前9時・ホテルニューオータニ鳥取)、中部大志会例会・忘年会(午前11時半・倉吉市内)、という日程です。

今年もあと二週間となりました。年末年始ご多忙の折、皆様ご健勝にてお過ごしくださいませ。

政策コラム執筆者プロフィール
石破茂会長石破 茂 鳥取1区【衆議院議員】
生年月日:昭和32年2月4日
当選回数:11回
学歴:1979年3月 慶應義塾大学法学部卒業
得意な政策分野:安全保障・農林水産・地方創生