八木哲也八木 哲也です。地元の愛知県豊田市・みよし市の地方新聞「矢作新報」(R1.10.11)に掲載された私のエッセイ「時々刻々 No.927」をご紹介します。

【「時々刻々 No.927」】環境と成長の好循環に向けて

待ちに待ったラグビーワールドカップ(W杯)が始まった。W杯は4年に一度の開催だが、日本で開くのは初めて。私にとってはほぼ確実に一生に一度の日本開催になる。
 
9月20日の開幕戦、日本対ロシアの試合をテレビで観戦した。「にわかファン」には反則があるたびに字幕解説が出るのは助かる。初戦を30対10で快勝すると、9月28日の第2戦はなんと優勝候補の一角・アイルランドも下した。英BBCも「ラグビーW杯史上最大の番狂わせ」と報じるほどのとんでもない偉業だ。

試合の迫力と熱気は、宿舎の小さなテレビからでも十分伝わってくる。だが生の迫力は違う。豊田スタジアムでは4試合があり、9月23日は開幕試合のウエールズ対ジョージア戦を観戦した。人と人がぶつかり合う音。スクラムやタックルの肉弾戦はまず耳で圧倒される。観客も選手と一体だ。テレビで味わえない感動だ。

豊田スカイホールのパブリックビューイングや駅東広場もラグビー一色で盛り上がったと聞く。このチャンスをまちづくりに繋げていきたいものだ。

さて9月13日、首相官邸で安倍晋三内閣総理大臣から環境大臣政務官の辞令を受けた。前日夕に官房副長官から打診があり快諾したが、予想外の職だった。

だが振り返れば私は環境省と不思議な縁がある。国会議員になって最初に足を運んだ役所だ。その年は矢並湿地などがラムサール条約に登録される慶事があったが、それは環境省の助言が効いた。お礼のために環境省に行ったことも覚えている。前々回の時々刻々は海洋プラスチックごみ問題を取り上げた。これも環境省の管轄だ。「口にした以上、お前が率先して取り組め」との天の声だろう。

内定すると早速、環境省の官僚が来て記者会見のレクチャーが始まった。その後、1週間ほど勉強漬けだ。担当する範囲は地球環境、水・大気、自然、環境再生・資源循環など広い。

当面の課題は環境と成長の好循環に向けた政策だ。環境と成長のバランスが崩れると、海洋プラスチックごみのような問題が起きる。バランスをとるために環境の視点でブレーキをかける仕組みが必要だ。

人口減、少子高齢化、過疎化のなかで環境・経済・社会を統合・連携する「地域循環共生圏」構想も必要だろう。地球規模で環境問題を考え、技術で世界に貢献することも大事だ。

9月23日、地球温暖化の防止を目指す国連気候行動サミットが米ニューヨークで開かれ、小泉進次郎環境相が出席した。二酸化炭素など温室効果ガスの排出を2050年までにゼロにすると77か国が表明した。日本は80%減としている。

各国の首脳や閣僚以上に注目を集めたのは16歳の少女・グレタさんの演説だ。テレビで見ると、各国の首脳を相手に動じず、気迫ある演説だった。私にとっては孫の世代にあたる。将来世代に地球をどう残すのか、真摯に聞かないといけない。

小泉環境相、佐藤ゆかり副大臣と力を合わせて誠実に責任を果たしたい。皆様のご理解とご指導をお願いいたします。

政策コラム執筆者プロフィール
八木哲也八木 哲也 愛知11区【衆議院議員】
生年月日:昭和22年8月10日
当選回数:3回
学歴:1972年3月 中央大学理工学部管理工学科卒業
得意な政策分野:経済産業 科学技術・イノベーション 文部科学 地方創生