八木哲也八木 哲也です。地元の愛知県豊田市・みよし市の地方新聞「矢作新報」(R1.11.22)に掲載された私のエッセイ「時々刻々 No.933」をご紹介します。

【「時々刻々 No.933」】政務官室から眺める四季に癒され

環境省の政務官室は24階にある。眼下に日比谷公園があり、日比谷野外音楽堂が見える。過日、宿舎のテレビをみた際に、小原の四季桜が生中継されていた。足助の香嵐渓の紅葉も紹介され、食い入るように見入った。目の前の日比谷公園も同じく、秋色に染まり始めている。

政務官室に入って2か月がたった。勉強しなければならないことは山ほど。目まぐるしい日々だ。何かがあったときに緊急で参集するため24時間対応の在京当番もある。土、日曜日に当番があれば地元には帰れない。日比谷公園の四季をみながら地元に思いをはせ、地元行事に出席できないことを申し訳なく思う。

環境省の前身・環境庁ができたのは昭和46年だ。水俣病、新潟水俣病、イタイイタイ病、四日市ぜんそく等の四大公害問題を受けて発足した。その原点が水俣病だ。高度経済成長の陰で負の財産が蓄積されていた。

いまの環境省の課題は国内だけではない。気候変動、地球温暖化など地球規模の問題も多い。国際会議に出席したり、海外の議員の訪問を受けたりすることも少なくない。10月28〜30日はベトナム・ハノイに飛んだ。「アジアEST (環境的に持続可能な交通)フォーラム」に出席し、開会式で挨拶したほか、パネルディスカッションでパネラーとして議論に参加した。他国・組織と5件の会談もこなした。いずれも日本政府を代表しての発言で、緊張し肩が凝る。思わず通訳の女性に「ボクの三河弁で、通訳できる?」と確認した。「大丈夫!」。心強い言葉。しっかりと日本の立場を主張することができたと思う。

いまは臨時国会の真っ最中だ。令和元年の節目で第200回国会。メモリアルな国会ともいえる。安倍晋三首相の所信表明演説もいつになく気合が入っていたように感じた。

「最大の挑戦は少子高齢化」とも語った。戦後70年を経て高度成長は今は昔。次の日本を支える世代のために我々はもっと汗をかかなければいけない。幼児教育、保育の無償化や多様性を認め個性を生かす社会を作る。安心できる社会保障、災害に強いまちづくりも大事だ。首相は「令和の新しい国づくりの道しるべは憲法。憲法改正に向けて議論をしよう」と訴えた。

10月22日には天皇陛下の「即位礼正殿の儀」が皇居で催され、参列した。雨模様だったが、式典の直前に突然雨はやみ、薄日が差した。皇居の上空に虹がかかったという。神々しく思えた。11月10日には「祝賀御列の儀」。陛下の即位を祝うパレードがあり、11万9千人が沿道に詰めかけた。

ラグビーワールドカップで日本チームが大活躍し、日本全体が元気になった。

令和元年の200回国会もこうした明るい話題で埋め尽くされればよかった。だが今国会も、また閣僚の不祥事で国会は空転し、経済産業相、法相の2人が辞職した。政府の一員として本当に申し訳なく思います。

忙しいとあっという間に時間は過ぎる。眼下の日比谷公園の四季の移り変わりを見るのが、少しばかりの癒しとなっている。

政策コラム執筆者プロフィール
八木哲也八木 哲也 愛知11区【衆議院議員】
生年月日:昭和22年8月10日
当選回数:3回
学歴:1972年3月 中央大学理工学部管理工学科卒業
得意な政策分野:経済産業 科学技術・イノベーション 文部科学 地方創生