八木哲也八木 哲也です。地元の愛知県豊田市・みよし市の地方新聞「矢作新報」(H29.12.8)に掲載された私のエッセイ「時々刻々 No.840」をご紹介します。

【「時々刻々 No.840」】「全世代型」社会保障制度の構築を

天髙し。国会周辺の銀杏並木は、黄金に輝き始め、天を突いている。拙文がみなさんに届く頃は、歩道が黄金の絨毯のように枯葉で敷き詰められているだろう。そして銀杏独特の匂いが漂う。居酒屋で酒のつまみに銀杏を注文することがよくある我が身からすれば「もったいないなあ」と思うが、誰一人拾う姿を見ないのも不思議だ。

すでに師走だ。年中走り回っているためか、一年が過ぎる早さを痛感する。特に今年は9月に突然の解散・総選挙があり、死に物狂いで走ったためか、文字通り「光陰矢のごとし」だった。だが振り返ればやはり充実した一年だった。

一番の理由は、激しい衆議院選挙にもかかわらず、何とか3選を果たすことができたからだ。地域と国政・与党とのパイプを維持できたことに安堵した。何しろこのパイプがあると無いとでは、地元にとって雲泥の差があることを、身に染みてわかっているからだ。そのため一票の重みを改めて痛感する選挙でもあった。投票をしていただいた皆様に心より感謝している。

さて特別国会(第195回国会)は11月1日から12月9日まで行われた。安倍晋三首相の所信演説は約20分間。小生が本会議場で聞いたこれまでの首相演説で一番短かった。今回は解散・総選挙という英断を下した後の国会。期待をしていた。もっと幅広く、深く突っ込んだ演説が聞きたかった。

安定議席を確保できたためか、首相は演説の冒頭で「『安定的な政治基盤のもとで、政策を、ひたすらに実行せよ』。これが、総選挙で示された国民の意思であります」と述べた。今回の選挙、敵失がなければ、明らかに逆風の選挙だったはずだ。謙虚に、丁寧に、国民目線に立って政治を行っていかなければならない。

首相は「北朝鮮問題への対応」「少子高齢化を克服する」「世界の成長をとりこむ」「災害からの復旧・復興」の4つの観点を示した。全て然りである。

まず、少子高齢化は待ったなしだ。人口減少が進むことは不可避で、30年後には1億人を割ると予測される。これからはせめて1億人を維持できるよう、歯止めをかける政策を打ち出さなくてはならない。高齢化により人生百年時代を迎える。今日生まれた子供が百年間、生きがいを持って、安全で安心した人生を送ることのできる「全世代型」社会保障制度を構築していかなければならない。やるべきことは山ほどあるが、避けて通れない問題だ。人口減少で、日本沈没が始まっているからだ。

首相は憲法問題について深く語らなかった。最後に「憲法改正の議論」とだけ言った。来年の通常国会では避けて通れない問題だ。一方で「北朝鮮問題への対応」について、わが国の防衛力、自衛隊の位置づけ、安全保障の問題などを考えるとき、今回の衆議院選挙で、沖縄で4議席中2議席を落としたことは、自民党の重大な失点だったと思う。

今回の「時々刻々」も、締め切りに追われ、まさに師走、新幹線の中で、走りながら記した。一年間耐えて読んでいただいた皆様に感謝いたします。

政策コラム執筆者プロフィール
八木哲也八木 哲也 愛知11区【衆議院議員】
生年月日:昭和22年8月10日
当選回数:3回
学歴:1972年3月 中央大学理工学部管理工学科卒業
得意な政策分野:経済産業 科学技術・イノベーション 文部科学 地方創生